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作業主任者を選任する作業一覧|掲示と職務の記録を整理する

約6分で読めます 安全ドリル+編集部
作業主任者選任技能講習掲示建設業
共通の現場で起きる有害物の場面(安全ドリル+の教材より)
安全ドリル+の教材より

作業主任者の選任が必要な作業の一覧、建設現場でよく出る例、氏名と職務の掲示義務を、安衛法と施行令の条文にもとづいて整理する。

「この作業、作業主任者は要るんだっけ」——工種が変わるたびに、現場の担当者はこの確認に追われる。作業ごとに必要な資格の種類が異なるうえ、選任した後の掲示義務まで意識できている現場は多くない。

本稿では、作業主任者の選任が必要な作業、建設現場でよく出る例、氏名と職務の掲示義務を整理する。

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作業主任者とは

作業主任者とは、労働災害を防止するための管理が特に必要とされる作業について、都道府県労働局長の免許を受けた者、または技能講習を修了した者のうちから選任され、当該作業に従事する労働者を直接指揮する担当者をいう。安衛法第14条は、政令で定める作業ごとに作業主任者を選任することを事業者に求めている(出典:e-Gov法令検索 労働安全衛生法)。

統括安全衛生責任者や安全管理者が現場・事業場という「場」を単位に選任されるのに対し、作業主任者は個々の「作業」を単位に選任される点が大きく異なる。同じ現場でも、行われる作業の種類ごとに、それぞれ別の作業主任者が必要になる場合がある。

選任が必要な作業(技能講習・特別教育の別)

作業主任者を選任すべき作業は、施行令が具体的に列挙している(出典:e-Gov法令検索 労働安全衛生法施行令)。高圧室内作業、ガス溶接作業、ボイラー取扱作業、木材加工用機械作業、地山の掘削作業、土止め支保工作業、足場の組立て等作業、有機溶剤作業、酸素欠乏危険作業など多岐にわたる。

作業主任者になるための資格取得は、作業の種類によって「技能講習の修了」で足りるものと「免許」を要するものに分かれる。建設現場で選任機会の多い作業の多くは技能講習の修了で足り、より危険度の高い一部の作業に免許が求められる構成になっている。混同しやすいのが、作業主任者になるための技能講習と、作業に従事する労働者向けの特別教育の違いである。作業主任者は当該作業を指揮する立場、特別教育を受けた労働者は当該作業に従事する立場であり、両者は別の制度である。特別教育の対象作業は、特別教育を要する業務の一覧で整理している。

建設現場でよく出る作業主任者

建設現場で選任の機会が多い作業主任者としては、地山の掘削作業主任者、土止め支保工作業主任者、足場の組立て等作業主任者、型枠支保工の組立て等作業主任者、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者、有機溶剤作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者、石綿作業主任者などが挙げられる。

これらの作業は、工程の中で同時並行的に発生することも多い。足場の組立てと型枠支保工の組立てが同じ時期に重なる現場では、それぞれ別の作業主任者を選任し、両者の作業間の連絡調整も忘れずに行う必要がある。足場の組立てに関する詳しい内容は足場の組立て等作業と特別教育、型枠支保工については型枠支保工の崩壊とその対策で扱っている。

氏名と職務の掲示という義務

作業主任者を選任したときは、その氏名と、当該作業主任者に行わせる職務の内容を、作業場の見やすい箇所に掲示するなどして、関係する労働者に周知させることが安衛則で求められている。

掲示を怠ると、現場の作業員が「誰の指揮を受ければよいか」を把握できないまま作業に入ることになる。特に新規入場者が多い現場では、掲示が形骸化していないか、朝礼やKY活動のタイミングで確認する運用が有効である。

掲示物は、選任した時点だけでなく、作業主任者が交代するたびに更新する必要がある。工期の長い現場ほど、掲示の更新が漏れて古い氏名のままになっている例が起きやすい。定期的な掲示物の点検を、現場巡視の項目に含めておくとよい。

作業主任者が実際にやること

作業主任者の職務は、作業の区分ごとに安衛則で定められているが、共通しているのは、作業方法の決定と労働者の直接指揮、作業に使用する設備・器具の点検、安全帯や保護具の使用状況の監視といった内容である。単なる資格保有者としての名目にとどまらず、実際にその作業が行われる間、現場で指揮を執ることが求められる。

書類上は選任されているが、実際にはその作業日に現場にいない、という状態は、選任の趣旨に反する。工程表を確認し、作業主任者が必要な作業日に確実に現場へ配置されているかを、事前に管理しておく必要がある。

兼任と交代の考え方

1人の作業員が複数の作業主任者資格を持ち、それぞれの作業を兼任すること自体は禁じられていない。ただし、複数の作業が同じ日に同時並行で行われる場合、1人がすべての作業を実際に指揮することは物理的に不可能である。資格を持っているだけでは足りず、実際にその時間帯に現場で指揮できる人員配置になっているかを確認する必要がある。

作業主任者が急な欠勤や交代となった場合、代わりの有資格者を確保できなければ、その日はその作業自体を実施できないことになる。工程を組む段階で、作業主任者の交代要員をあらかじめ確保しておくことが望ましい。特定の1人にしか資格者がいない体制は、その人が欠けた瞬間に工程全体が止まりかねないという脆さを抱えている。

記録の残し方

作業主任者を選任した記録として、氏名、資格の種類と取得日、担当する作業の範囲を一覧にして管理しておくと、複数の作業主任者が混在する現場でも把握しやすくなる。資格証の写しを添えて保管しておくと、労働基準監督署の臨検で提示を求められた際にも対応しやすい。

現場の作業員名簿と作業主任者の選任状況をあわせて管理する運用も有効である。作業員名簿の書き方は作業員名簿の書き方と落とし穴で扱っている。工種ごとに担当する作業主任者が変わる大規模な現場では、資格の一覧表を1枚にまとめておくだけでも、確認の手間が大きく減る。日々の教育記録を積み上げる基本的な考え方は、毎日のKY活動を記録に変えるで整理している。

選任が要る作業を確認するチェックリストをPDFで用意している。 登録は要らない。特別教育の対象業務チェックリスト(PDF) からそのまま落とせる。

本記事は一般的な参考情報であり、法的・専門的な助言を提供するものではありません。法令の解釈・適用や個別事案への対応は、社会保険労務士等の専門家、または所轄の労働基準監督署にご確認ください。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。


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よくある質問

Q. 作業主任者は必ず技能講習を修了していれば選任できますか

作業の種類によって、技能講習の修了で足りるものと、都道府県労働局長の免許を要するものに分かれる。選任前に、対象作業がどちらの区分に該当するかを必ず確認しておく必要がある。

Q. 作業主任者が急に休んだ場合、その日の作業は中止すべきですか

作業主任者の選任が必要な作業について、有資格者が現場に不在の状態で作業を行うことは選任の趣旨に反する。代わりの有資格者を確保できない場合は、その日の作業を見合わせる判断も必要になってくる。

Q. 1つの現場に複数の作業主任者が必要になる場合、体制図はどのように作ればよいですか

作業の種類ごとに選任した作業主任者の氏名と担当範囲を一覧化し、現場の体制図に反映しておくとよい。体制図全体の作り方は、安全衛生管理体制を1枚の図にするで整理している。作業ごとの主任者を並べて可視化しておくと、工程が重なる時期に体制の抜けがないかを一目で確認できるようになる。

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