安全ドリル+ 現場の安全教育を朝礼前の1分半で

二日酔い・アルコールチェック|建設現場における運用の線引き

約6分で読めます 安全ドリル+編集部
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共通の現場で起きる有害物の場面(安全ドリル+の教材より)
安全ドリル+の教材より

アルコールチェックは何台以上の車両を持つ会社に義務があるのか。道路交通法上の義務と、建設現場が独自に決める自社ルールを切り分けて整理しました。

「うちはトラック運送業じゃないから、アルコールチェックは関係ない」——建設業でこう考えている担当者は少なくない。だが、資材運搬用の車両を一定台数以上保有していれば、建設会社であっても道路交通法上のアルコールチェック義務の対象になりうる。

この記事では、どこまでが道路交通法上の義務で、どこからが現場ごとの自社ルールなのかを切り分けて整理する。台数要件や確認方法についての断定は避け、判断に迷う点は所轄の警察署や専門家への確認を促す形で扱う。

二日酔いのまま高所作業や重機周辺の作業に入ることの危険は、朝礼で一度伝えるだけでは翌日には薄れやすい。安全ドリル+は、当日の注意点を短い動画で毎朝繰り返し届ける仕組みとして使える。

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アルコールチェックが義務になる範囲

アルコールチェックが義務になる範囲は、貨物運送事業などの緑ナンバー事業者と、それ以外の白ナンバー事業者とで異なる。貨物自動車運送事業者には、事業用自動車の運転者に対する運行管理者による酒気帯びの有無の確認義務が以前から課されている。

一方、白ナンバー車両を使用する事業者については、一定台数以上の自動車を保有する場合に「安全運転管理者」の選任が義務づけられており、その安全運転管理者の業務のひとつとして、運転者の酒気帯びの有無の確認が求められている。安全運転管理者の選任義務は道路交通法にもとづき、具体的な選任台数の要件は同法の政令・規則で定められている(出典:e-Gov法令検索 道路交通法e-Gov法令検索 道路交通法施行令)。

台数の具体的な要件(自動車の保有台数、乗車定員による区分など)は改正で見直されることがあるため、本稿では断定的な数字を示さない。自社が対象になるかどうかは、保有車両の台数・種類を確認したうえで、所轄の警察署(交通課)に問い合わせるのが確実である。

建設業でどこまで求められるか

建設業でどこまで求められるかについては、資材運搬用の社用車やトラックを自社で保有している場合、その台数次第で安全運転管理者の選任義務、ひいてはアルコールチェックの義務が生じうる。一方、現場に通う職人が私有車で通勤する場合の酒気帯び確認は、道路交通法上の安全運転管理者制度の対象には含まれない。

この違いを混同すると、「うちは義務がある」「うちは義務がない」の判断を誤ることになる。義務の対象になるのは、あくまで事業者が使用者として管理する自社の車両とその運転者であり、通勤に使う私有車まで法令が直接義務づけているわけではない。

安全運転管理者の選任義務や酒気帯びの確認手順の詳細は、社用車を保有する建設会社にとって共通の論点であり、社用車を運転する職人の交通災害でも別の角度から扱っている。

自社ルールとして決めるべきこと

自社ルールとして決めるべきこととは、道路交通法上の義務の有無にかかわらず、現場の安全のために独自に定める確認の運用を指す。私有車通勤者や、安全運転管理者の選任義務がない小規模な会社であっても、二日酔いのまま重機を操作したり高所作業に入ったりすることの危険は変わらない。

多くの現場では、朝礼時の目視確認や、本人からの自己申告を組み合わせた運用で対応している。検知器の使用は法令上の義務が及ばない場合でも、任意で導入する現場もある。どこまでの確認を行うかは、現場の作業内容やリスクの大きさに応じて、事業者ごとに判断すべき事項である。

検知したときの扱い

検知したときの扱いについては、酒気帯びが確認された場合にその日の作業からどのように外すか、あらかじめ手順を決めておく必要がある。その場の判断に委ねると、対応が人によってばらつき、公平性を欠く運用になりかねない。

作業からの除外だけでなく、除外した記録の残し方、本人への説明の仕方、繰り返した場合の対応まで、事前に定めておくことが望ましい。これらは就業規則や現場のルールブックに明記し、周知しておく必要がある。

プライバシーとの折り合い

プライバシーとの折り合いとは、酒気帯びの確認結果という個人の健康・行動に関わる情報を、必要な範囲を超えて共有しないよう配慮することを指す。検知結果や確認の経過は、本人の評価や処遇に直結しうる情報であり、無関係な第三者に伝わらないよう管理する必要がある。

一方で、安全に直結する情報であるため、必要な管理者には確実に伝わる体制も同時に求められる。プライバシーへの配慮と、安全確保のための情報共有は、どちらか一方だけを優先するのではなく、両立させる運用を設計する必要がある。

送り出し側との取り決め

送り出し側との取り決めとは、協力会社から作業員を送り出す会社と、現場を管理する元請との間で、確認の主体と手順をあらかじめ合意しておくことを指す。複数の会社の作業員が混在する建設現場では、誰が誰の確認を行うのかが曖昧になりやすい。

現場入場時の確認を元請が一括して行うのか、各社が自社の作業員について責任を持つのかは、現場ごとに取り決めておく必要がある。取り決めがないまま現場を迎えると、確認の抜け漏れや、責任の所在が不明確な事態につながりかねない。個別の対応は所轄の労働基準監督署または警察署にご確認ください。

記録

記録については、安全運転管理者による確認を実施した日時・方法・結果を、道路交通法にもとづき一定期間保存する必要がある。自社ルールとして行う確認についても、実施した記録を残しておくと、後日の見直しや説明の際の裏付けになる。

記録の様式は法令上細かく定められているわけではないが、確認者・対象者・確認方法・結果を最低限記録しておく運用が実務上は一般的である。

まとめ

安全ドリル+は、当日の注意点を朝礼前の短い動画で届け、記名の記録として残す仕組みです。二日酔いや疲労と事故の関係については睡眠不足と現場の事故|長時間労働が判断を鈍らせる仕組みでも扱っています。日々の記録を積み上げる基本的な考え方は毎日のKY活動を記録に変えるを参照してください。詳しくは安全ドリル+をご覧ください。


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よくある質問

Q. 建設会社は必ずアルコールチェックの義務がありますか

一律に義務があるわけではありません。保有する車両の台数や種類によって、安全運転管理者の選任義務、ひいてはアルコールチェックの義務が生じるかどうかが決まります。自社が対象になるかは所轄の警察署にご確認ください。

Q. 私有車で通勤する職人にもチェックは必要ですか

道路交通法上の安全運転管理者制度は、事業者が使用者として管理する自社車両が対象です。私有車通勤者への確認は、現場が独自に定める自社ルールとして運用されています。

Q. 検知器の使用は義務ですか

対象となる事業者には、酒気帯びの有無を適切な方法で確認する義務がありますが、確認方法の詳細は改正で見直されることがあります。最新の要件は所轄の警察署にご確認ください。

Q. 元請と協力会社、どちらが確認する義務を負いますか

法令上の義務は、それぞれの作業員を使用者として管理する事業者に生じます。現場での運用は、元請・協力会社間であらかじめ取り決めておく必要があります。

Q. アルコールチェックの記録はどのくらい保存すればよいですか

道路交通法上の確認記録には一定の保存が求められています。具体的な期間や様式は、所轄の警察署または専門家にご確認ください。

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